▼ この記事でわかること
日本史の起源はいつか。文字による記録は約1500年前までですが、考古学の視点では約3万5000年前、氷河期に大陸と陸続きだった時代にまで遡ります。
しかし、文字のない時代の解明には困難も伴い、過去には「旧石器捏造事件」のような過ちもありました。当時の日本にはナウマンゾウなどの巨大動物が生息していましたが、人類の狩猟技術の向上と気候変動により絶滅。ここから日本列島の独自の歴史が動き出したのです。
日本史の起源と文字記録の「限界」
「日本の歴史はいつ始まるのか?」という問いは、一見単純そうで実はとても複雑なテーマです。多くの人が歴史の根拠として頼りにする教科書的な文献資料では、せいぜい1500年前までしか遡ることができません。しかし、考古学の視点に立てば、その歴史はずっと古く、数万年前の未知なる世界へと扉が開かれることになるのです。
今からおよそ3万5000年から4万年前、地球は寒冷な氷河期の只中にありました。海面が下がったことで、日本列島はアジア大陸と陸続きの「橋」で繋がっていたのです。私たちの祖先となる人々は、この橋を渡り、獲物の群れを追って日本へと辿り着きました。ここから、文字記録には残らない途方もなく長い歴史が始まります。
🔍 つまりどういうこと?🔍
私たちが文字で読む歴史はごく最近の出来事に過ぎず、それ以前に横たわる数万年という膨大な時間は、全て地面の下(考古学)に眠っています。かつて日本は海で隔てられた島国ではなく大陸の一部であり、最初の日本人は船ではなく、自らの足で陸を歩いてこの地にやってきたのです。
── では、地面の下の歴史は常に正しいのでしょうか。ある事件を見てみましょう。
捏造事件が問いかける歴史の「死角」
文字による記録が存在しない以上、私たちは出土品を信じるしかありません。しかし西暦2000年、その信頼を根底から揺るがす大事件が起きました。藤村新一氏による旧石器捏造事件です。彼はあろうことか自分で埋めた石器を「発見」し、日本の歴史を無理やり古く見せかけることで、功績を上げようとしたのです。
なぜ長年見抜けなかったのでしょうか。そこには「日本は中国や韓国より古い歴史を持ちたい」という、ある種歪んだ愛国心が潜んでいました。自分たちが見たいものだけを見るという姿勢が、科学的な検証を妨げてしまったのです。歴史を見る目は、願望に左右されない、常に曇りなきものでなければなりません。
🔍 つまりどういうこと?🔍
「日本は特別であってほしい」という人々の願望が、偽りの歴史を作り上げる隙を生んでしまいました。考古学は過去を知るための強力なツールですが、それを扱う人間に「公平な目」がなければ、真実は願望によって歪められ、簡単に見失われてしまう危険性を孕んでいるのです。
💡 情報が混み合っていませんか?細かい時系列は、年号整理ページ にまとめてあります。是非ご活用ください。
── では、確かな証拠がある当時の生活へ話を戻しましょう。
巨大動物を追いかけた祖先の「生活」
捏造騒動を脇に置き、確実な史実に目を向けましょう。約2万年前の日本列島には、メガファウナと呼ばれる巨大生物が闊歩していました。2メートルを超える大鹿やナウマンゾウたちです。私たちの祖先は、彼らを追って生活圏を広げ、狩りのしやすい現在の関東平野などにも住み着いていったと考えられています。
しかし、彼らの繁栄は長くは続きませんでした。人類は鋭利な打製石器を作り出し、言葉による高度な連携プレーを駆使して、巨大動物を狩り尽くしてしまったのです。さらに温暖化による急激な環境変化も重なり、時代は「旧石器」の世界から次のステージへと、ゆっくりと確実に移り変わっていったのです。
🔍 つまりどういうこと?🔍
最初の日本人は、過酷な環境で生き抜くために巨大な動物たちと命懸けで戦い、勝利しました。人類が手にした「石器という技術」と「言葉による協力」は、強力な自然界の王者を絶滅に追い込むほどの圧倒的な影響力を持っており、それが歴史を動かす原動力となったのです。
── 👀 読むのが疲れてきませんか? 「歴史は好きだけど、文字を読む時間はあまりない…」 そんな方には、耳で聴く読書がオススメ。
── 最後に、この記事のまとめとFAQでおさらいしましょう。
まとめ:文字以前の歴史を巡る「旅路」
日本史の幕開けは、文字のない暗闇の中にあります。しかし、そこには氷河期の大地を踏みしめ、巨大な獣たちと対峙した人々の確かな営みがありました。捏造事件という苦い教訓を経て、私たちは今、より慎重に、しかし着実に真実へと近づいています。この記事を通じて、文献には残らない祖先たちの息遣いを感じていただけたなら幸いです。
この記事のポイントは、以下の3つです。
‣文字記録より遥かに長い空白の時間
‣願望が招いた考古学の落とし穴
‣環境変化と人類による動物の絶滅
ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。
Q1.日本人はどこから来たのですか?
氷河期に陸続きだった大陸から、動物を追って移動してきた人々が祖先と考えられています。彼らは主に「陸の橋」を渡ってやってきました。
Q2.旧石器時代と縄文時代の違いは?
旧石器は打製石器のみを使い、土器を持たない時代です。縄文時代は土器の使用が始まり、気候の温暖化と共に定住化が進みました。
Q3.歴史を学ぶ上で大切なことは?
ひとつの説を鵜呑みにせず、客観的な証拠があるか、そこに願望が含まれていないかを常に考える批判的な姿勢です。
・佐藤信ほか編『詳説日本史(日本史探究)』山川出版社,2023
・国史教科書編纂委員会編『市販版 国史教科書』PHP研究所,2024
・笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集』山川出版社
出典:Wikimedia Commons
※当記事は上記の信頼できる書籍・史料に基づき作成していますが、わかりやすさを優先した独自の表現を含みます
🖋この記事を書いた人🖋
Alex Kei(学び直し歴史ライター)
早稲田大学創造理工学部卒。複数の教科書と専門書を読み比べながら、【大人の学び直し】に特化した記事を執筆しています。👇noteではこんな話をしてます(目次)👇
文字記録がない時代の歴史の空白歴史を語る資格と考古学の落とし穴
巨大生物を追って陸の橋を渡る旅
狩人たちの世界を変えた二つの激変
まとめ:歴史の始まりを問い直す
🖋 この記事はどんな本を参考に?🖋

当ブログと相性が抜群!図表が大量に掲載され、
学び直しに最適な一冊。
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専門書も、スマホで手軽に読み放題。
▼ この記事でわかること
日本史の起源はいつか。文字による記録は約1500年前までですが、考古学の視点では約3万5000年前、氷河期に大陸と陸続きだった時代にまで遡ります。
しかし、文字のない時代の解明には困難も伴い、過去には「旧石器捏造事件」のような過ちもありました。当時の日本にはナウマンゾウなどの巨大動物が生息していましたが、人類の狩猟技術の向上と気候変動により絶滅。ここから日本列島の独自の歴史が動き出したのです。
日本史の起源と文字記録の「限界」
「日本の歴史はいつ始まるのか?」という問いは、一見単純そうで実はとても複雑なテーマです。多くの人が歴史の根拠として頼りにする教科書的な文献資料では、せいぜい1500年前までしか遡ることができません。しかし、考古学の視点に立てば、その歴史はずっと古く、数万年前の未知なる世界へと扉が開かれることになるのです。
今からおよそ3万5000年から4万年前、地球は寒冷な氷河期の只中にありました。海面が下がったことで、日本列島はアジア大陸と陸続きの「橋」で繋がっていたのです。私たちの祖先となる人々は、この橋を渡り、獲物の群れを追って日本へと辿り着きました。ここから、文字記録には残らない途方もなく長い歴史が始まります。
🔍 つまりどういうこと?🔍
私たちが文字で読む歴史はごく最近の出来事に過ぎず、それ以前に横たわる数万年という膨大な時間は、全て地面の下(考古学)に眠っています。かつて日本は海で隔てられた島国ではなく大陸の一部であり、最初の日本人は船ではなく、自らの足で陸を歩いてこの地にやってきたのです。
── では、地面の下の歴史は常に正しいのでしょうか。ある事件を見てみましょう。
捏造事件が問いかける歴史の「死角」
文字による記録が存在しない以上、私たちは出土品を信じるしかありません。しかし西暦2000年、その信頼を根底から揺るがす大事件が起きました。藤村新一氏による旧石器捏造事件です。彼はあろうことか自分で埋めた石器を「発見」し、日本の歴史を無理やり古く見せかけることで、功績を上げようとしたのです。
なぜ長年見抜けなかったのでしょうか。そこには「日本は中国や韓国より古い歴史を持ちたい」という、ある種歪んだ愛国心が潜んでいました。自分たちが見たいものだけを見るという姿勢が、科学的な検証を妨げてしまったのです。歴史を見る目は、願望に左右されない、常に曇りなきものでなければなりません。
🔍 つまりどういうこと?🔍
「日本は特別であってほしい」という人々の願望が、偽りの歴史を作り上げる隙を生んでしまいました。考古学は過去を知るための強力なツールですが、それを扱う人間に「公平な目」がなければ、真実は願望によって歪められ、簡単に見失われてしまう危険性を孕んでいるのです。
💡 情報が混み合っていませんか?細かい時系列は、年号整理ページ にまとめてあります。是非ご活用ください。
── では、確かな証拠がある当時の生活へ話を戻しましょう。
巨大動物を追いかけた祖先の「生活」
捏造騒動を脇に置き、確実な史実に目を向けましょう。約2万年前の日本列島には、メガファウナと呼ばれる巨大生物が闊歩していました。2メートルを超える大鹿やナウマンゾウたちです。私たちの祖先は、彼らを追って生活圏を広げ、狩りのしやすい現在の関東平野などにも住み着いていったと考えられています。
しかし、彼らの繁栄は長くは続きませんでした。人類は鋭利な打製石器を作り出し、言葉による高度な連携プレーを駆使して、巨大動物を狩り尽くしてしまったのです。さらに温暖化による急激な環境変化も重なり、時代は「旧石器」の世界から次のステージへと、ゆっくりと確実に移り変わっていったのです。
🔍 つまりどういうこと?🔍
最初の日本人は、過酷な環境で生き抜くために巨大な動物たちと命懸けで戦い、勝利しました。人類が手にした「石器という技術」と「言葉による協力」は、強力な自然界の王者を絶滅に追い込むほどの圧倒的な影響力を持っており、それが歴史を動かす原動力となったのです。
── 👀 読むのが疲れてきませんか? 「歴史は好きだけど、文字を読む時間はあまりない…」 そんな方には、耳で聴く読書がオススメ。
── 最後に、この記事のまとめとFAQでおさらいしましょう。
まとめ:文字以前の歴史を巡る「旅路」
日本史の幕開けは、文字のない暗闇の中にあります。しかし、そこには氷河期の大地を踏みしめ、巨大な獣たちと対峙した人々の確かな営みがありました。捏造事件という苦い教訓を経て、私たちは今、より慎重に、しかし着実に真実へと近づいています。この記事を通じて、文献には残らない祖先たちの息遣いを感じていただけたなら幸いです。
この記事のポイントは、以下の3つです。
‣文字記録より遥かに長い空白の時間
‣願望が招いた考古学の落とし穴
‣環境変化と人類による動物の絶滅
ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。
Q1.日本人はどこから来たのですか?
氷河期に陸続きだった大陸から、動物を追って移動してきた人々が祖先と考えられています。彼らは主に「陸の橋」を渡ってやってきました。
Q2.旧石器時代と縄文時代の違いは?
旧石器は打製石器のみを使い、土器を持たない時代です。縄文時代は土器の使用が始まり、気候の温暖化と共に定住化が進みました。
Q3.歴史を学ぶ上で大切なことは?
ひとつの説を鵜呑みにせず、客観的な証拠があるか、そこに願望が含まれていないかを常に考える批判的な姿勢です。
・佐藤信ほか編『詳説日本史(日本史探究)』山川出版社,2023
・国史教科書編纂委員会編『市販版 国史教科書』PHP研究所,2024
・笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集』山川出版社
出典:Wikimedia Commons
※当記事は上記の信頼できる書籍・史料に基づき作成していますが、わかりやすさを優先した独自の表現を含みます
🖋この記事を書いた人🖋
Alex Kei(学び直し歴史ライター)
早稲田大学創造理工学部卒。複数の教科書と専門書を読み比べながら、【大人の学び直し】に特化した記事を執筆しています。👇noteではこんな話をしてます(目次)👇
文字記録がない時代の歴史の空白歴史を語る資格と考古学の落とし穴
巨大生物を追って陸の橋を渡る旅
狩人たちの世界を変えた二つの激変
まとめ:歴史の始まりを問い直す
🖋 この記事はどんな本を参考に?🖋

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