
データが足りなくても、分解して見積もれば大きく外しません。フェルミ推定の型とAIの活用ポイントを、中学生でも使える手順で紹介します。
フェルミ推定は「大きな問い」を小さな要素に割って掛け合わせる考え方です。おおよその規模感を素早くつかめるので、計画や比較が安定します。AIと組み合わせる実践のコツまで解説します。
「分割→仮定→掛け算」で全体像をすばやく掴む
フェルミ推定:情報が少ない問題を分割し、仮定を置いて概算する方法
仮定:計算のために一時的に固定する前提(後で見直す)
例として「学校の自販機で1日に売れるペットボトルは何本?」を考えます。全校生徒数→購入する割合→1人あたり本数→稼働時間の係数、と分割します。たとえば「生徒800人」「購入するのは3人に1人」「1人あたり1本」「授業日だけ稼働で係数0.8」のように仮定を置けば、800×1/3×1×0.8≈210本と出ます。ここで大事なのは、数字そのものより、分け方と仮定の明示です。
AIには「分割の観点」を列挙させます。人数・割合・回数・時間・季節の係数など、漏れや重複をチェックしてから自分で値を入れると、見積もりが安定します。
いきなり答えを出そうとせず、「構成要素の掛け算」に分け、仮定を紙に書いて固定します。あとから仮定を1つ変えるだけで、計算を素早く更新できます。
幅で考えると外れにくくなる
レンジ:最小〜最大の幅で数値を設定すること
感度分析:仮定を少し動かして、答えの変化を見ること
1点の数字で答えを決めると外れやすいです。そこで、「購入割合は20〜40%」「1人あたり本数は0.8〜1.2本」のようにレンジを置き、最小・最大の二通りを計算します。さらに、結果を大きく動かす仮定(たとえば“購入割合”)を変化させて、答えの揺れを確認します。これが感度分析です。影響の大きい部分に調査の力を集中できるので、効率よく精度が上がります。
AIには「各仮定を±20%動かした時の結果の表」を作らせます。影響が大きい順に並べれば、追加調査の優先度が一目でわかります。
点ではなく幅で見積もり、結果を大きく動かす要素から確かめると、短時間で“当たり”に近づけます。
現地観察とAI検索で仮定を素早く更新する
校正データ:仮定を修正するために集める少数の現場データ
代理指標:直接測れない量の代わりに使う近い指標
机上の仮定は必ずズレます。そこで、昼休みの10分だけ販売本数を数える、放課後の列の長さを記録するなど、校正データを少量だけ集めます。直接測れない場合は、売上の残量やゴミ箱の本数などを代理指標にします。AIには近い学校や店舗の公開統計を探してもらい、差が出る理由(立地・季節・価格)を列挙させ、仮定を更新します。小さな観察+AIの候補出しの組み合わせが、最短のチューニングになります。
更新後はもう一度レンジ計算を回し、幅が狭まったかを確認します。幅が十分に小さくなれば「計画に使える精度」に到達です。
机上→観察→更新を小さく回すほど、精度は速く上がります。観察は“少量・短時間”で十分です。
まとめ:分割と幅と更新で未知を“扱える”に変える
フェルミ推定は、問いを分割し、仮定を明示し、幅で答えを持つだけです。AIは観点出し・感度表・類似事例探しの補助として使い、最後は小さな観察で校正します。正確さを求めすぎて動けなくなるより、“使える精度”で素早く回す方が成果は大きいです。未知の数字に出会ったら、分割→レンジ→更新の順で一気に進めましょう。
問いを分割して仮定を明示する
幅で計算し感度の高い要素から確かめる
少量の観察+AI補助で仮定を更新する
以上が本記事から得られる学びです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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