日露戦争とポーツマス条約!日本辛勝で世界驚愕|5分de探究#101

明治・大正
日露戦争とポーツマス条約!日本辛勝で世界驚愕|5分de探究#101
小国日本が大国ロシアに勝利できた本当の理由と、その後の過酷な運命とは?


学校では教わらない、日露戦争の薄氷の勝利の裏側と、世界を驚愕させた講和条約の真実を”5分”で紐解きます。

▼ この記事でわかること

Q. 日露戦争で日本が勝利した要因と講和条約の内容とは?


日本海海戦の勝利と露の革命で優位に立ちポーツマス条約を締結。樺太を得るも賠償金は放棄しました。

日露戦争で、日本は旅順への奇襲と日本海海戦での劇的勝利により優位に立ちました。しかし陸戦では、ロシア軍の巧みな撤退戦術と堅固な要塞を前に、甚大な死傷者を出す消耗戦を強いられます。

ロシア第一革命
バルチック艦隊壊滅を機に、米国の仲介でポーツマス条約を締結。満州権益や樺太南部を得るも賠償金は無く、国内では不満から日比谷焼打事件が勃発しました。この辛勝の教訓を精神論へ歪曲した軍部は、後のシベリア出兵太平洋戦争への破滅の道を突き進むことになります。

旅順要塞の攻略と奉天での激戦

旅順要塞:ロシア太平洋艦隊が拠点を置き、日本軍が多大な犠牲を払って攻略した満州の不凍港。
乃木希典:旅順攻囲戦を指揮するも、正面攻撃に拘り多くの将兵を死なせてしまった第三軍司令官。
二百三高地:旅順港内の艦隊を砲撃するために不可欠だった、激戦の末に日本軍が確保した丘陵。

当時、日本にとって最大の脅威は旅順要塞に潜むロシア極東艦隊でした。彼らを無力化するため、日本軍は要塞への攻撃を開始します。しかし、乃木希典率いる第三軍は正面攻撃に拘り、機関銃の餌食となっておびただしい死傷者を出す泥沼の消耗戦に陥りました。この凄惨な光景は、近代戦における要塞攻略がいかに困難かを世界に知らしめることとなったのです。


事態を打開したのは、乃木の親友でもある児玉源太郎の介入でした。彼は無謀な突撃を止め、要衝である二百三高地の奪取へ目標を変更します。ここからの砲撃でようやく艦隊を無力化できましたが、続く奉天会戦も含め、陸戦は勝ったというより「耐え抜いた」という表現が適切です。日本の勝利は圧倒的なものではなく、国力の限界ギリギリで掴んだ薄氷を踏むような危うさがあったのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

日本は海軍を支援するため陸軍を投入しましたが、ロシア軍の強固な守りと巧みな撤退戦術に苦戦を強いられました。乃木希典の指揮下で多くの犠牲を払いながらも、児玉源太郎の的確な判断で要所を押さえ、辛うじて勝利を拾うことができたのです。それは圧倒的勝利ではなく、紙一重の差で手にした、まさに薄氷の上の結果に過ぎませんでした。


荒れる海を進む軍艦の絵


── では、海の戦いと講和の行方を見てみましょう。

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日本海海戦の勝利と講和条約

日本海海戦:東郷平八郎率いる連合艦隊が、遠路回航してきたバルチック艦隊を一方的に撃破した戦い。
ポーツマス条約:米国の仲介で結ばれた、日本の朝鮮支配権や南樺太の割譲などを認めた日露戦争の講和。
日比谷焼打事件:多くの犠牲に見合う賠償金が得られなかったことに激昂した民衆が、東京で起こした暴動。

陸戦での疲弊に対し、海では劇的な勝利が待っていました。東郷平八郎率いる連合艦隊が、ロシア最強のバルチック艦隊日本海海戦で完膚なきまでに叩きのめしたのです。これとロシア国内の革命騒ぎが重なり、ツァーリはついに戦争継続を断念します。日本の完全な制海権確保とロシア国内の混乱が、講和への道を切り開く決定打となったのです。


米国のセオドア・ルーズベルト大統領の仲介により、ポーツマス条約が締結されました。日本は満州の権益や南樺太を得ましたが、国民が最も期待した「賠償金」はゼロでした。重税と犠牲に耐えた人々はこの結果に納得できず、日比谷焼打事件などの暴動へと発展します。外交上の勝利は、国内に政府への激しい不満と分断という複雑な結果を招くことになりました。

🔍 つまりどういうこと?🔍

海戦での完全勝利とロシアの内部崩壊によって、日本は戦争を終わらせることができました。しかし、講和条約で得たものは土地と権益のみで、金銭的な見返りがなかったため、国内では勝利を喜ぶどころか激しい怒りが爆発したのです。国際的な地位向上と引き換えに、国民生活には重い負担と不満の火種が残る結果となりました。

💡 情報が混み合っていませんか?細かい時系列は、年号整理ページ にまとめてあります。是非ご活用ください。


シベリアの雪原を進む兵士たちの写真


── では、この勝利がもたらした副作用について考えましょう。

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歪んだ戦訓とシベリアへの出兵

シベリア出兵:ロシア革命への干渉を目的に、チェコ軍団救出を名目として行われた泥沼の軍事派兵。
精神主義:物量や技術の劣勢を、大和魂などの精神力で覆せると過信した日本軍の非合理な思想。
南洋諸島:第一次世界大戦に乗じて日本がドイツから奪取し、委任統治領として勢力圏に置いた島々。

日露戦争は、日本軍に誤った自信を植え付けました。大和魂があれば、物質的劣勢も銃剣突撃で覆せるという精神主義です。この過信は、後のシベリア出兵での失敗や、技術革新を軽視したまま第二次世界大戦へ突入する原因となり、将来に大きな影を落とします。勝利の要因を精神力だけに求めた分析の甘さが、組織を誤った破滅の方向へ導いたのです。


一方で、第一次世界大戦においては、日英同盟を口実に参戦し、ドイツ領だった南洋諸島や中国の青島を火事場泥棒的に占領しました。欧州が戦火にある中、日本は物資供給国として経済的に潤い、一時的にせよ「一等国」としての地位を確立することに成功します。国際情勢を巧みに利用し、最小限の犠牲で実利を得るしたたかさを発揮した時期でもありました。

🔍 つまりどういうこと?🔍

日露戦争の勝利は、軍部に「精神論」という毒を含んだ教訓を残し、無謀なシベリア出兵などを招きました。しかし経済外交面では、第一次世界大戦を利用して領土と利益を拡大し、日本は列強の仲間入りを果たすという実利を得ることもできたのです。歪んだ自信と実際の国力伸長が交錯し、日本は複雑で危うい道を進むことになります。


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── 最後に、この記事のまとめFAQでおさらいしましょう。

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まとめ:日露戦争の勝利と「代償」

日露戦争は、日本が列強としての地位を確立した記念碑的な出来事でした。しかし、その勝利は薄氷を踏むようなもので、精神論への傾倒という負の遺産も残しました。成功体験がどのように組織を硬直させるか、現代にも通じる教訓を含んでいます。過去の勝利に酔わず、冷静に要因を分析することの重要性を、この戦争は今も私たちに教えてくれるのです。
この記事のポイントは、以下の3つです。

旅順要塞の攻略と奉天での激戦
日本海海戦の勝利と講和条約
歪んだ戦訓とシベリアへの出兵

ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。

❓この記事のテーマに関するFAQ❓

Q1.なぜ小国の日本がロシアに勝てたのですか?

ロシア国内で革命が起き、戦争継続が困難になったことが大きな要因です。また、日本海海戦での決定的な勝利が、講和への決定打となりました。

Q2.日本は戦争で何を得て、何を失いましたか?

満州の権益や南樺太、朝鮮への優越権を得て、列強入りを果たしました。しかし、莫大な戦費と人命を失い、賠償金が得られなかったため国民の不満が高まりました。

Q3.この戦争は後の日本にどう影響しましたか?

「精神力で勝った」という誤った認識が軍部に定着してしまいました。これが後のシベリア出兵や、第二次世界大戦での非合理な作戦立案につながっていきます。

各時代の FAQ は、FAQまとめページ で一気見できます。是非ご活用ください。

[主な参考資料]
・佐藤信ほか編『詳説日本史(日本史探究)』山川出版社,2023
・国史教科書編纂委員会編『市販版 国史教科書』PHP研究所,2024
・笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集』山川出版社
出典:Wikimedia Commons
※当記事は上記の信頼できる書籍・史料に基づき作成していますが、わかりやすさを優先した独自の表現を含みます

🖋この記事を書いた人🖋

Alex Kei(学び直し歴史ライター)

早稲田大学創造理工学部卒。複数の教科書と専門書を読み比べながら、【大人の学び直し】に特化した記事を執筆しています。
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