西南戦争と西郷隆盛の最期!士族の反乱の影響|5分de探究#093

明治・大正
西南戦争と西郷隆盛の最期!士族の反乱の影響|5分de探究#093
なぜ英雄・西郷隆盛は明治政府に逆らい、命を散らしたのでしょうか?


近代化の裏で起きた士族たちの悲劇と、その敗北が日本にもたらした大きな変化。武士の時代の終焉を”5分”で紐解きます。

▼ この記事でわかること

Q. 英雄・西郷隆盛はなぜ 西南戦争で命を散らしたのか?


特権剥奪に抗い決起するも徴兵軍に敗北。武力抵抗は終わり、戦いは言論憲法制定へ移りました。

明治政府の急進的な西洋化政策は、士族の特権を次々と奪いました。廃刀令秩禄処分で誇りと生活の糧を失った不平士族は、西郷隆盛を擁して最大の反乱である西南戦争を起こします。

この敗北により武力抵抗の時代は終わり、大久保利通の暗殺を経て、戦いの舞台は言論へと移行しました。日本はイギリス流かドイツ流か、国の形を決める憲法制定の議論へと進んでいきます。武士の終焉と近代国家誕生の痛みを、今ここから追っていきましょう。

特権を剥奪され暴発した「士族の反乱」

廃刀令:一八七六年に発令され、士族の帯刀を禁じることで、武士の特権と身分表象を完全に否定した法令。
秩禄処分:士族への家禄支給を全廃し、代わりに金禄公債を与えることで、彼らから経済的な特権を奪った措置。
佐賀の乱:江藤新平らが中心となり、明治政府に対して不平士族が最初に起こした大規模な武力反乱。

明治政府が強力に推進した西洋化にとって、かつての支配層である侍は邪魔な存在でした。そこで政府は、彼らの特権を次々と剥ぎ取る法令を連発します。特に象徴的だったのが廃刀令です。当初は任意でしたが、やがて強制的に刀を取り上げ、侍のアイデンティティを否定しました。さらに彼らに追い打ちをかけたのが秩禄処分です。


これは「退職金代わりの一時金」を渡すことで、代々受け継いできた給与を打ち切るものでした。商売のスキルがない多くの士族は没落し、政府への敵意を募らせます。その怒りはついに爆発し、肥前での佐賀の乱を皮切りに、長州や秋月でも武力蜂起が発生。伝統的な社会秩序を守ろうとする士族たちの、命がけの抵抗が始まったのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

明治政府は近代化を推し進めるため、武士にとっての「刀(名誉)」「俸禄(給与)」を強制的に奪いました。これにより生活に困窮し誇りを傷つけられた士族たちは、自分たちの存在意義武士の文化を守るため、各地で政府に対する激しい武力反乱を次々と起こし始めました。


軍服姿の西郷隆盛


── では、士族たちの最後の戦いを見ていきましょう。

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西郷隆盛の死と最大最後の「西南戦争」

西南戦争:一八七七年、西郷隆盛を盟主として薩摩で引き起こされた、士族による最大にして最後の武力反乱。
徴兵令:国民皆兵を目指して導入された軍制で、身分に関係なく兵士を集める近代的な軍隊の仕組み。
紀尾井坂の変:西南戦争の翌年に発生し、不平士族が大久保利通を暗殺することで政府に大きな衝撃を与えた事件。

一連の反乱のクライマックスが、一八七七年の西南戦争です。率いたのは維新の英雄西郷隆盛でした。しかし、この戦いで証明されたのは「武士の時代の終わり」でした。政府軍は徴兵令で集められた農民や町人の集団でしたが、近代的な装備で剣を振るうサムライたちを圧倒したのです。西郷の死とともに、組織的な武力反乱は終焉を迎えました。


それでも、士族の鬱屈がすぐに消えたわけではありません。戦争の翌年には、西郷を追い落とした中心人物である大久保利通紀尾井坂の変で暗殺され、その後も森有礼が襲われるなどテロが続きました。しかし、これらは「最後のあがき」でした。西郷の敗北は、古い封建的な制度に戻ることはもはや不可能であることを、誰の目にも明らかにしたのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

英雄である西郷隆盛が率いる反乱軍が、徴兵された庶民の政府軍に敗れたことで、もはや武士という身分には力がないことが証明されました。大物政治家の暗殺という抵抗は続きましたが、これをもって武力による政府転覆の可能性は完全に消滅し、時代は次の段階へ進みました。

💡 情報が混み合っていませんか?細かい時系列は、年号整理ページ にまとめてあります。是非ご活用ください。


大日本帝国憲法の発布式


── では、戦いの舞台を議会へと移しましょう。

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武力から言論へ移行した「憲法論争」

自由民権運動:藩閥専制を批判し、国会開設や憲法制定を求めて板垣退助らが主導した広範な政治運動。
大隈重信:イギリス流の議員内閣制導入を主張し、政府内で急進的な改革を訴えた明治時代の重要政治家。
ドイツ流憲法:君主権が強く、議会の権限を制限したプロイセンの憲法であり、明治政府が手本としたモデル。

武力闘争の時代が去ると、元士族たちはペンと言論で戦う道を選びました。これが自由民権運動です。「どんな国を作るか」という議論で、政府内でも分裂が起きます。大隈重信などはイギリス流の自由主義モデルを推しましたが、薩摩・長州の主流派は反対。彼らは、皇帝に権力が集中する権威主義的ドイツ流憲法こそが日本に適していると考えたのです。


なぜそこまで憲法にこだわったのでしょうか。それは、不平等条約を改正し、欧米と対等になるためには「文明国」の証である憲法が不可欠だったからです。五箇条の御誓文にある「公論」を実現しつつ、天皇を中心とした強力な国家を作る。この難題を解決するため、政治家たちは「政治的な戦争」とも言える激しい主導権争いを繰り広げることになります。

🔍 つまりどういうこと?🔍

戦いの手段は武力から政治へと完全に変わりました。不平等条約を解消するために憲法制定が必要でしたが、自由を重視する「イギリスやフランスの型」か、君主権を重視する「ドイツの型」かで、政府内でも新たな対立が生まれました。国の根幹を決める激しい議論の幕開けなのです。


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── 最後に、この記事のまとめFAQでおさらいしましょう。

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まとめ:武士の終焉と「近代への脱皮」

明治初期、西洋化の中で居場所を失った士族たちは、特権剥奪に抗い反乱を起こしましたが、西南戦争での敗北によりその役割を終えました。武力による抵抗が不可能になると、戦いは「憲法をどう作るか」という政治論争へ移行。日本は欧米列強と対等になるため、近代国家としての枠組み作りへと突き進んでいきました。
この記事のポイントは、以下の3つです。

特権を失った士族の武力反乱の終焉
徴兵制軍隊による身分制度の無効化
憲法制定に向けた政治モデルの対立

ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。

❓この記事のテーマに関するFAQ❓

Q1.なぜ西郷隆盛は政府に対して反乱を起こしたのですか?

急激な西洋化や朝鮮半島への対応(征韓論)で政府と対立し下野したためです。彼を慕う不平士族たちの不満を背負い、決起せざるを得ませんでした。

Q2.イギリス流モデルとドイツ流モデルの決定的な違いは何ですか?

イギリス流は議会や政党の力を重視する自由主義的なものですが、ドイツ流は君主(皇帝)に強い権限を残す権威主義的なスタイルです。

Q3.なぜ明治政府はそこまで急いで憲法を作りたがったのですか?

「憲法を持つ法治国家」と認められない限り、欧米列強と結ばされた不平等条約を改正できなかったからです。国の独立を守るための必須条件でした。

各時代の FAQ は、FAQまとめページ で一気見できます。是非ご活用ください。

[主な参考資料]
・佐藤信ほか編『詳説日本史(日本史探究)』山川出版社,2023
・国史教科書編纂委員会編『市販版 国史教科書』PHP研究所,2024
・笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集』山川出版社
出典:Wikimedia Commons
※当記事は上記の信頼できる書籍・史料に基づき作成していますが、わかりやすさを優先した独自の表現を含みます

🖋この記事を書いた人🖋

Alex Kei(学び直し歴史ライター)

早稲田大学創造理工学部卒。複数の教科書と専門書を読み比べながら、【大人の学び直し】に特化した記事を執筆しています。
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