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鎌倉・室町時代は、平安と戦国のあいだの地味な時期だと見られがちです。しかし、最初の武家政権が生まれ、侍が主役になる劇的なスタートラインでもあります。
本記事では、鎌倉幕府の誕生、源氏から北条氏へのバトン、尼将軍と承久の乱、そして元寇という外国からの脅威までをたどります。派手な合戦だけでなく、権力のしくみや人々の感情に目を向けて、この時代を立体的に味わうための入口を用意します。
この記事はどんな本を参考にしてる?
- 鎌倉幕府の成立から承久の乱・元寇までを物語風にたどれる、日本中世史の入門書。
国史教科書 第7版 検定合格 市販版 中学校社会用令和書籍 『国史教科書』 の特徴 ①最も面白い 面白い教科書を目指しました。楽しみながら学べる「読み物」に仕上がっています。歴史は本質的に面白いものです。その面白さを素直に表記しました。 ②最もレベルが高い 私たちは、全国の偏差値の高い高等学校の入試問題を遡って解析して本書を執筆しました。おそらく、もっともレベ... - 北条氏や武家政権のしくみを、史料と制度面からじっくり読み解く中級者向けの解説書。
史伝 北条義時: 武家政権を確立した権力者の実像大河ドラマ「鎌倉殿の13人」必携の書 2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時(演・小栗旬)の生涯に迫る一冊。著者は、現在、もっとも北条義時に肉薄していると評価される新進気鋭の研究者。姉・北条政子と源頼朝の結婚、頼朝の挙兵、平家との戦い、武家政権の成立、将軍代替わりを契機とする政権内の権力闘...
ファースト侍から時代を見直してみる
鎌倉幕府:武士が政治の中心となった最初の政権。
武家政権:貴族ではなく武士が実際の政治を担う仕組み。
スーパースター:時代のイメージを一気に決めてしまう象徴的な人物。
鎌倉・室町時代は、平安の宮廷文化や戦国の合戦に比べて「華やかなスーパースターが少ない」と感じられがちです。しかし、最初に鎌倉幕府という形で武家政権をつくった出来事は、日本史全体で見れば非常に大きな転換点です。これ以降、政治の主役は貴族から武士へと大きくシフトし、ものの見方や価値観も変わっていきます。「誰が派手だったか」ではなく、「誰が最初のルールを作ったのか」という視点に切り替えると、地味に見えていた時代が、むしろ物語の土台を固める重要な章として見えてきます。
例えば、ある時代劇で主役が華やかな武将でも、その背後には必ず最初の仕組みを作った人物がいます。鎌倉幕府の創始者は、戦の天才としての派手さよりも、「武士が国を動かす」という新しい常識を実現した存在です。この視点を持つと、「知名度は高いのに人気が薄い」ように見える人物にも、ファーストペンギンとしての役割があったことに気づきます。派手な合戦シーンだけでなく、仕組みを作った人の苦労に目を向けることが、この時期を楽しむ第一歩になります。
鎌倉・室町時代を「間の時期」と片づけてしまうと、日本史の流れがつぎはぎのように感じられてしまいます。最初の武家政権である鎌倉幕府が誕生したことで、その後の武士の時代のルールや価値観が形づくられました。派手な名場面ばかり追いかけるのではなく、「ここで何が初めて起きたのか」に注目すると、教科書の端に追いやられがちな出来事が、一気に物語の入り口として立ち上がります。
人気の陰で動く権力のバトンを見る
源氏:平安末から鎌倉初期にかけて台頭した武家の一族。
北条氏:鎌倉幕府で執権となり実権を握った一族。
執権:将軍を補佐する立場から、実際の政治を取り仕切る役職。
鎌倉幕府を開いた源氏は、大きな戦いに勝利して主役の座をつかみましたが、その栄光は長く続きませんでした。将軍家の内部対立や、将軍の死をめぐる不穏な経緯などが重なり、一族としての源氏は短期間で力を失っていきます。そのすき間を埋めたのが北条氏です。本来は将軍を補佐するはずの執権という立場が、少しずつ実権そのものを握るようになり、「名目上のトップ」と「実際に決める人」が分かれる二重構造が生まれました。ここには、「誰が人気か」ではなく、「誰がどのポジションを押さえたか」を見る面白さがあります。
この権力移行は、物語として読むとドラマ性が高く、源氏の将軍が暗殺される事件や、将軍家から離れた縁戚が実権を握る展開が続きます。一見すると裏切りの連続ですが、視点を変えると、「不安定なトップを支えるために、決定権を分散させようとした動き」とも読めます。源氏の看板と、北条氏の実務能力という二つの要素が、どのように組み合わさっていたかを意識すると、名前の暗記だけでは見えてこない鎌倉政治の実像が浮かび上がります。
源氏から北条氏への移行は、「勝者が入れ替わった」というだけの話ではありません。実際には、看板としての将軍と、決定を下す執権という二重構造が出来上がり、武家政権の運営スタイルが大きく変わりました。悲劇的なエピソードに心を動かされつつも、「どの役職がどんな権限を持つようになったのか」を追いかけると、権力のバトンがどのように渡されていったのかが見えてきます。
尼将軍と最強の敵で時代のスケールを知る
承久の乱:朝廷側と鎌倉幕府が激しくぶつかった内乱。
尼将軍:出家しながらも政治の中心で指導力を発揮した女性の呼称。
元寇:モンゴル帝国などの連合軍が日本に襲来した戦い。
源氏の将軍家が弱体化したあと、鎌倉幕府は尼将軍として知られる人物の強いリーダーシップに支えられます。朝廷側は、将軍暗殺などの混乱を機に「今こそ幕府に揺さぶりをかけるべきだ」と考え、武士たちの不満に期待しながら反攻に出ました。これが承久の乱です。幕府側には、かつて田舎者と見下され、搾取されてきたという記憶を持つ武士も多くいましたが、尼将軍は「恩を受けた相手を思い出せ」と訴えかけ、迷う武士たちの心をまとめます。ここでは、個人のカリスマだけでなく、「誰とどんな誓いを共有しているか」が行動を左右したことが分かります。
内側の危機を乗り越えた鎌倉幕府は、やがて外からの最大級の脅威にも向き合うことになります。それが、モンゴル帝国などによる元寇です。世界史的に見れば、広大な領域を支配した巨大な帝国が、日本にも支配の手を伸ばそうとした出来事でした。日本側は、国内ではほぼ敵なしと思えるほど北条氏が権力を固めていた時期に、想定外のスケールの敵と対峙することになります。内乱と対外戦争が連続したことで、武士の連帯感や、海沿いの防備、戦後処理のあり方など、さまざまな課題が一気に表面化しました。
承久の乱と元寇をセットで見ると、鎌倉時代は「内側の秩序づくり」と「外からの圧力への対応」が同時に進んだ時代だったと分かります。尼将軍の演説は、関東武士の記憶と誇りを呼び起こし、モンゴル軍の襲来は、日本という共同体の境界線を意識させました。教科書では数行で終わる出来事も、「なぜ人々が動いたのか」「どんな恐怖や期待があったのか」を想像すると、時代のスケールがぐっと大きく感じられます。
まとめ:鎌倉時代をしくみと物語で味わう
歴史の見方:事実の並びだけでなく背景の意図や感情を意識する観点。
物語:出来事を人物の視点や関係性の流れとして理解する枠組み。
連続性:一つの時代が次の時代へどうつながるかというつながり方。
鎌倉・室町時代を学ぶとき、「派手さが足りない」と感じるのは、ごく自然な第一印象かもしれません。しかし、最初の武家政権の誕生、源氏から北条氏への権力移行、尼将軍が武士の心をつかんだ承久の乱、そして元寇という外圧までを一つの流れとして見ると、この時代はむしろ「侍の時代の設計図」が描かれた重要なステージに見えてきます。事実の年表だけでなく、誰が何を恐れ、何を守ろうとしていたのかという物語の線を意識することで、鎌倉時代はぐっと身近な時代になります。
派手さより最初に作られたしくみに注目する
権力のバトンと人々の感情の両方を追いかける
一つの出来事を次の時代へのつながりとして読み直す
以上が本記事から得られる学びです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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