日清戦争の勝利と三国干渉!日本はロシアに激怒|5分de探究#100

明治・大正
日清戦争の勝利と三国干渉!日本はロシアに激怒|5分de探究#100
日清戦争で圧勝した日本が、直後にロシアへ激しい憎悪を燃やした理由とは?


三国干渉による屈辱の領土返還から、日英同盟を結び、大国との決戦へ挑む激動の歴史を”5分”で紐解きます。

▼ この記事でわかること

Q. 日清戦争の勝利と三国干渉で日本が激怒した理由は?


獲得した遼東半島をロシア等の圧力で返還させられたからです。後にロシアがそこを占領し日露戦争へ繋がりました。

下馬評を覆して日清戦争に圧勝した日本は、朝鮮半島への影響力と台湾、そして遼東半島を獲得しました。しかし直後にロシアを中心とする三国干渉により、遼東半島の返還を強制されます。

この屈辱が日本国民の対露感情を激化させました。一方、獲得した植民地を守るために「防衛ライン」を北へ北へと拡大する論理が生まれ、ロシアとの対立が決定的になります。日英同盟を後ろ盾に、日本はついに大国ロシアとの開戦へと踏み切るのです。

世界を驚かせた圧勝と「植民地獲得」

北洋艦隊:清国が誇る当時アジア最強の海軍部隊で、定遠や鎮遠等の巨大戦艦を保有した主力艦隊。
鎮遠:清国北洋艦隊の旗艦の一つで、日本軍に鹵獲されたのち、日本海軍の主力艦として再利用された巨大戦艦。
皇民化:植民地支配において、現地の言語や習慣を禁止し、日本の文化や精神を強制的に植え付ける同化政策。

当時の世界情勢において、日本の勝利を予想する声は極めて少数でした。相手はアジアの大国・清。特に最新鋭の「定遠」鎮遠を擁する北洋艦隊は、装備面で日本を凌駕していたからです。しかし蓋を開けてみれば、日本は陸海軍ともに連戦連勝。朝鮮半島から満州、台湾へと進撃し、圧倒的な勝利を収め世界を驚愕させました。


勝利の結果、日本は初の植民地を獲得しますが、その統治は極めて過酷なものでした。朝鮮や台湾では皇民化の名の下に固有の文化が抑圧され、抵抗する人々は武力で徹底的に鎮圧されました。軍事的な栄光の裏側で、後の歴史に暗い影を落とすことになる「力による支配」の構造が、この時期に確立されてしまったといえます。

🔍 つまりどういうこと?🔍

世界最強と謳われた清国軍に対し、日本は予想外の完勝を収めました。これにより国際的な地位は向上しましたが、同時に朝鮮や台湾での過酷な植民地支配を開始します。この軍事的成功体験こそが、その後の強硬な外交姿勢や異民族への抑圧的な統治へと繋がっていく大きな要因となるのです。


日本地図の上に、ロシア・ドイツ・フランスの手が伸びてくる様子


── では、勝利に湧く日本を襲った「外交の悪夢」を見てみましょう。

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勝利を奪われた屈辱の「三国干渉」

遼東半島:日清戦争の講和条約で日本への割譲が決まった、中国東北部にある戦略的要衝で、後の旅順や大連。
三国干渉:ロシアがドイツとフランスを誘い、日本に対して遼東半島を清国へ返還するよう強要した外交的圧力。
賠償金:敗戦国が戦勝国に対して支払う金銭で、日清戦争では清国から日本へ巨額の銀が支払われることになった。

勝利の美酒は一瞬で苦いものに変わりました。獲得したばかりの遼東半島に対し、三国干渉が発生したのです。「中国の平和のため」という建前でしたが、主導したロシアの真意は、自らがその土地を奪うことにありました。列強3国を全て敵に回す戦力のない日本は、涙を呑んでこの屈辱的な要求を受け入れざるを得ませんでした。


日本は莫大な賠償金を得たものの、国民の怒りは収まりません。特に、返還させた直後にロシアが厚顔無恥にも遼東半島を自国の租借地としたことで、日本の怒りは頂点に達しました。「臥薪嘗胆」を合言葉に、国全体が「打倒ロシア」へと舵を切る決定的な転換点となり、国民一丸となって後の戦争への道を突き進むことになったのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

ロシア等は日本に対し、獲得した領土の返還を強要しました。これは純粋な平和維持ではなく、ロシア自身の領土的野心によるものです。理不尽な圧力に屈した日本は、この屈辱をバネに軍備拡張と対ロシア戦の準備へとのめり込みます。ここから、国民全体を巻き込んだ対露復讐の物語が始まったのです。

💡 情報が混み合っていませんか?細かい時系列は、年号整理ページ にまとめてあります。是非ご活用ください。


イギリス国旗と日本国旗が結ばれ、向こう側に巨大なロシアの熊がいる絵


── では、ついに開戦へと至る「最後の引き金」を確認しましょう。

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終わらない防衛線拡大と「日英同盟」

義和団の乱:中国で発生した排外主義的な暴動で、これを鎮圧する名目でロシアが満州へ軍を送り居座る口実となった。
鴨緑江:朝鮮と中国の国境を流れる川で、ロシア軍がこの付近に進出したことが日本の安全保障を直接脅かした。
日英同盟:ロシアの南下を警戒するイギリスと日本が結んだ軍事同盟で、第三国の参戦を防ぐ効果を持っていた。

日本は「本土を守るために朝鮮が必要、朝鮮を守るために満州が必要」という、終わりなき防衛ラインの拡大論理に陥っていました。一方ロシアは義和団の乱に乗じて満州を軍事占領し、ついには朝鮮国境の鴨緑江付近に要塞を建設し始めます。交渉による解決が絶望的になる中、日本の国家存亡に関わる危機感は限界に達しました。


ここで決定的な役割を果たしたのが日英同盟です。これにより「もし多国間戦争になれば世界最強のイギリスが出てくる」という状況が生まれ、ロシアは他国を誘えなくなりました。タイマン勝負なら勝機はあると踏んだ日本は、一九〇四年二月、ついに開戦を決断。帝国の存亡をかけた巨大な戦争の幕が切って落とされたのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

ロシアの満州居座りと朝鮮への野心が明白になり、日本は追い詰められました。しかし、イギリスとの同盟によって「1対1」の戦場環境が整ったことで、日本は交渉を打ち切り開戦を選択。自国の安全保障のためには、隣接地域を支配し続けなければならないという強迫観念が、戦争への道を決定づけたのです。


── 👀 読むのが疲れてきませんか? 「歴史は好きだけど、文字を読む時間はあまりない…」 そんな方には、耳で聴く読書がオススメ。

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── 最後に、この記事のまとめFAQでおさらいしましょう。

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まとめ:大国への怒りと「次なる大戦」

日清戦争での勝利は、日本に自信と同時に深い恨みをもたらしました。三国干渉による屈辱はナショナリズムを焚きつけ、ロシアの南下政策への恐怖は、日本を終わりのない拡張政策へと駆り立てました。「自国を守るためには、外へ攻めるしかない」という危うい論理が、この時完成してしまったのです。この構造を知ることが重要です。
この記事のポイントは、以下の3つです。

圧倒的勝利と過酷な植民地支配
三国干渉による屈辱と反露感情
日英同盟と開戦への不可逆な道

ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。

❓この記事のテーマに関するFAQ❓

Q1.なぜ小国の日本が清国に勝てたのですか?

清国軍は規模こそ巨大でしたが、近代化や組織運営で遅れをとっていました。日本軍の迅速な兵員輸送と、近代的な軍事システムが勝因となりました。

Q2.三国干渉の表向きの理由と本音は?

表向きは極東の平和のためでしたが、本音はロシア自身が不凍港である遼東半島を欲しかったためです。実際、後にロシアがそこを占領しました。

Q3.日英同盟はどのように戦争に関係しましたか?

イギリスがバックにつくことで、ロシア側にフランス等が加勢するのを防ぎました。これにより日本はロシア一国となら戦えると判断できたのです。

各時代の FAQ は、FAQまとめページ で一気見できます。是非ご活用ください。

[主な参考資料]
・佐藤信ほか編『詳説日本史(日本史探究)』山川出版社,2023
・国史教科書編纂委員会編『市販版 国史教科書』PHP研究所,2024
・笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集』山川出版社
出典:Wikimedia Commons
※当記事は上記の信頼できる書籍・史料に基づき作成していますが、わかりやすさを優先した独自の表現を含みます

🖋この記事を書いた人🖋

Alex Kei(学び直し歴史ライター)

早稲田大学創造理工学部卒。複数の教科書と専門書を読み比べながら、【大人の学び直し】に特化した記事を執筆しています。
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